いちじくは人類史最古の栽培果実とされており、6000年以上も前から栽培が始まったと言われています。旧約聖書に記されている最初の人類アダムとイブが禁断の果実を食べた後に体を隠している腰ミノはいちじくの葉で作られています。禁断の実はリンゴではなくイチジクだったのではないかという説まであります。いちじくが不老不死の果実、聖なる果実と言われる理由にはそういった歴史的な背景も関係しています。
1.ドライいちじくの始まりと用途
古代から栽培されていたいちじくは栄養価も高く、健康食品としても親しまれていましたが、収穫できる時期が短く、一度収穫すると足が早いため長期保存には向きませんでした。そこでいちじくを乾燥させてドライいちじくにすることで1年中食べられるようにしたのがドライいちじくの始まりです。砂糖が貴重品だった時代に、調理の際などは砂糖がわりにも利用していたそうです。料理に甘みをつけながら、健康効果も高いドライいちじくが古代から重宝されていたのも納得ができますね。
2.ドライいちじくと生いちじく、栄養素の違い
ドライいちじくはいちじくを乾燥させているので、水分が抜け、うまみや栄養素がぎゅっと凝縮されています。特に食物繊維と鉄やカリウム、カルシウムなどのミネラル分の栄養素は生いちじくの1.5〜2倍程度多く含まれています。食物繊維は便秘の改善に効果があり、腸内環境を整えてくれる効果があります。
また貧血を予防する鉄分、高血圧予防に効果のあるカリウム、そして骨を丈夫に保ってくれるカルシウムと嬉しい栄養素がたくさん含まれています。
生いちじくを食べるときには皮を食べない方も多いかと思いますが、ドライいちじくは丸ごと食べるので、栄養分を余す所なく摂取できるというメリットがあるのです。
3.ドライいちじくの美味しい食べ方
プチプチとした食感が楽しめるドライいちじくは小さく刻んでヨーグルトに入れると、腸内環境を整え、便秘の改善にも効果があります。毎日の朝食に1品に加えてみてはいかがでしょうか?
またお菓子作りが好きな方は、家で焼くパウンドケーキに入れてみるのもお勧めです。栄養価も高く、子供のおやつにもぴったりです。
お酒が好きな方には、赤ワインによく合うおつまみも作れますよ。材料はクリームチーズとドライいちじく、この2つだけです。角切りに切ったドライいちじくを常温で少し柔らかくしたクリームチーズに和えるだけなので簡単にできます。少しだけ飲みたいなというときにスナック菓子をおつまみにするより、身体に良いものを食べているという気分にさせてくれ罪悪感も薄れます。ドライいちじくの自然な甘味と、クリームチーズが程よくあってとても美味しいので飲み過ぎにはくれぐれも気をつけてくださいね。
旬が短いいちじくですが、ドライいちじくになっていることで栄養価も高く、気軽に1年中食べられます。あまり食べたことがないという方もぜひ一度お試しください。