昔から中国や韓国ではクルミの形が脳に似ていることから、受験生や育ち盛りの子供によく食べさせていたと言われています。クルミを食べると脳の働きに良いとされていますが、果たして本当なのでしょうか?
1.脳を健康に保ちたい方はクルミを食べましょう。
クルミに多く含まれる栄養素オメガ3脂肪酸は、脳の材料となる脂肪を保護して、脳の炎症を抑えるのに効果があります。またオメガ3脂肪酸は脳内の情報伝達や発信をする細胞に必要な栄養素だと言われています。
そして赤ワインなどに含まれるポリフェノールもクルミには多く含まれおり、グラスの赤ワイン1杯分よりも一掴みのクルミに含まれるポリフェノールの方が多いのです。このポリフェノールの抗酸化作用が脳と神経細胞の生成を促し、脳を保護する働きをしてくれます。
『Journal of Alzheimer’s Disease』誌に掲載された論文によると、毎日30〜50gのクルミを食べることでアルツハイマー病の発症リスクを軽減する効果があると報告されています。また記憶障害の改善や認知機能の改善にも効果があると実証されているのです。
2.心と身体にも嬉しい効果がたくさん
体内で合成できない必須アミノ酸の一種トリプトファンはクルミに多く含まれており、セロトニンという幸せを感じるホルモンの原料となります。クルミを食べることで摂取できるトリプトファンは精神状態を安定させるのに効果があります。イライラした気持ちを沈め、不安を落ち着けてくれるので不眠症に悩む方にもクルミはおすすめの食べ物です。ストレス社会で生きる現代人にとっては嬉しい食材ですね。
またクルミにはビタミン類、ミネラル類などの栄養素が豊富に含まれているため、免疫力をあげ、生活習慣病の予防にも効果があります。がんの予防、糖尿病の予防にも効果があるという研究結果もありますので、食生活が乱れやすい方はぜひ普段の食事にクルミを加えてみてください。
3.効果的な食べ方
クルミが脳にも心にも身体にも良いとわかると、食べなきゃ損だとばかりに大量に買って食べてしまいそうですが、ナッツ類は脂質が多くカロリーも高いため食べ過ぎは良くありません。クルミに限らず、ナッツ類は健康食材として食べることを推奨されていますが1日の摂取量の目安としては大体片手に乗るくらいの量が適量だとされています。クルミだと7粒程度となり約30g、カロリーは200kcalほどになります。おつまみ用などで売られているものは油で揚げてあったり、味付けされていたりするものが多いのでそうなるとカロリーはさらに高くなってしまいます。生クルミや殻付きのものが手に入れば良いですが、毎日殻を剥いて食べるとなると大変なので、できれば無塩の素焼きタイプのものを選ぶようにしましょう。
食事の前に数粒食べることで、食べ過ぎを防ぐこともできますのでダイエット目的としてクルミを食べるのもおすすめです。