中華料理やイタリアンのジェノベーゼソースに使われる松の実は栄養価が非常に高く、中国では「1日3回、毎日食べると仙人になれる。」と言われるスーパーフードです。松の実は松ぼっくりと呼ばれる松かさの中にある種から養分がたっぷりと含まれた胚乳と呼ばれる部分を取り出したものです。どのような薬膳効果、美容効果があるのでしょうか?
1.薬膳食材として重宝されている松の実
薬膳の食材としても人気の高い松の実は身体を温め、気を補い、脳を活性化する作用があると言われています。肺を潤す効果もあり、乾燥する季節には空咳や風邪予防のためにもぜひ積極的に食生活に取り入れたい食材です。
松の実には生活習慣病の予防に有効な抗酸化作用を持つオレイン酸が多く含まれています。オレイン酸とは不飽和脂肪酸という良質な脂質でコレステロール値を下げる働きがあるので、動脈硬化を防ぎ、心疾患や高血圧の予防に効果があります。また鉄分も多く含まれているため、貧血の予防にも効果があります。
松の実にしかない種類の不飽和脂肪酸にピノレン酸がありますが、このピノレン酸は炎症や痒みの抑制に効果があり、アトピーやアレルギーによるかゆみを軽減することができます。
2.松の実はお肌、そして髪や爪にも美容効果が絶大
松の実に含まれるオレイン酸、そしてビタミンEには抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐアンチエイジング効果があります。特に紫外線の影響よる肌トラブル、シミやシワの予防に効果があり、ビタミンEの含有量はアボカドの4倍と言われています。他にもタンパク質やミネラル、ビタミンB群、カリウムなどお肌に良い栄養素が豊富に含まれています。
亜鉛が多く含まれる松の実は髪を健康に保つ効果もあります。亜鉛は毛髪の主成分であるケラチンを合成する働きがあるので、髪に潤いとツヤを与えてくれるのです。そして髪だけでなく、爪もまたケラチンから構成されていますので、爪が乾燥して割れやすいなどという症状の改善にもおすすめです。また亜鉛には育毛効果もあることから薄毛の改善にも効果があります。
3.松の実を食べるときの注意点
スーパーフードの松の実はぜひ積極的に取り入れたい食材ですが、食べるときにいくつか注意したい点があります。生のまま食べるとお腹を壊しやすいので必ず加熱してから食べるようにしましょう。そして脂質を多く含むため、酸化しやすい松の実は開封後は冷蔵庫保存しますがそれでも食べきれない場合は密閉容器に入れ冷凍保存するのが良いでしょう。
そしてもう一点気をつけたいのがカフェインと一緒に摂取しないということです。カフェインを含む飲み物はビタミンCやビタミンBの吸収不良を起こしてしまいますので、せっかくの成分を無駄にしないためにも組み合わせには気をつけましょう。
スーパーフードといえど、食べ過ぎは良くありません。1日20粒程度までを目安に上手に松の実を摂取し、薬膳・美容パワーを実感してみてくださいね。