必須脂肪酸を体に摂り入れよう

脂質、炭水化物、タンパク質は3大栄養素として知られており、中でも脂質は1gで9kcalと、他の2つ(4kcal/g)に比べて最も高い栄養効率を発揮するため、栄養管理には必要不可欠です。エネルギー源としてだけでなく、細胞膜や核膜を守ったり、皮下脂肪となって、臓器を保護したり、寒さから体を守ったりする働きもあります。

脂質には体内で作れるものと作れないものとがあり、後者を「必須脂肪酸」と呼びます。体内で合成することができない必須脂肪酸は、普段の食事から意識的に摂り入れることが大切です。

 

体内で作れない「オメガ3系脂肪酸」&「オメガ6系脂肪酸」

オメガ3系脂肪酸はα-リノレン酸が代表的です。血液をサラサラにしたり、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げたりするため、心疾患やガンなどに効果的と言われています。また、体内でDHAやEPAに変換されるため、アレルギーも防ぐとも言われています。

植物由来の油だと、エゴマ油や亜麻仁油、食品では青魚をはじめ、鮭、マグロ、くるみなどがオメガ3系脂肪酸に当たります。オメガ3脂肪酸は熱に弱い性質のため、加熱はせず、ドレッシングとして使ったり、スプーンでそのまま飲んだりして摂るのがいいでしょう。

オメガ6系脂肪酸ではリノール酸が代表的です。血中のコレステロールの濃度を上げにくくすると言われており、不足すると皮膚トラブルを起こす可能性もある必須脂肪酸です。植物由来の油では、ゴマ油、ベニ花油、コーン油、グレープシードオイルなど、食品では卵白、レバー、アワビなどから摂ることができます。

2020年日本人の食事摂取基準で、成人女性のオメガ3脂肪酸の1日の摂取量の目安は1.6~2.0グラム、男性は2.0~2.2グラム、オメガ6脂肪酸の場合は成人女性が7~8グラム、成人男性が9~11グラムとされています。なお、現代人の食生活ではオメガ6脂肪酸は比較的足りているため、オメガ3系脂肪酸の方をより積極的に摂るべきという見方がされています。

 

体内で作れるオメガ9系脂肪酸

こちらは体内でも作られる脂肪酸で、オレイン酸が代表的です。食事から摂ることもでき、熱にも強いということから、料理に使いやすい油です。特に、オリーブオイルにはオレイン酸がたっぷり含まれており、血中コントロール値の低下を助けるだけでなく、ビタミンEとポリフェノールも含まれているので、アンチエイジング効果があると言われています。オレイン酸はオリーブオイルの他、アボカドオイルからも摂ることができます。

 

必須脂肪酸を効果的に摂り入れる方法

このように、必須脂肪酸を含んだオイルはたくさんあります。効果的に体に摂り入れるためには、例えば、今使っている食用油をやめて、炒め物にはオリーブオイル、揚げ物にはゴマ油を使ってみたり、香りの強い亜麻仁油やエゴマ油に薬味や調味料と混ぜてドレッシングを作ってみたり、無理なく続けられる方法をチョイスしましょう。毎日継続できる方法で始めてみてください。