酸化させない!正しく保存された油を摂ろう

揚げ物などで大量の油を使用した際、「一度使っただけで捨てるのはもったいない」と何度か繰り返し使うという方も多いかと思います。しかし、その際に気を付けたいのが油の酸化です。使用後の油は時間の経過とともに酸化してしまうので、健康に良くありません。油が酸化すると、体にどういった影響があるのでしょうか。また、油を正しく上手に保存するにはどうすればいいのでしょうか。

 

なぜ油は酸化するのか

油の酸化は、揚げ物に使用したからといってすぐに起きるものではありません。油が空気に触れたり、光や熱と接したりすることが大きな原因となって起こります。つまり、調理に使用しなくても、油の保存方法が悪いと酸化が進んでしまうのです。

油が酸化するとさまざまな物質が発生し、色が悪くなったり、変な臭いがしたりして、油はどんどん劣化します。劣化した油を使っていると、料理の見た目や風味を損なうだけでなく、お腹を壊したり、食中毒を引き起こしたりする可能性もあります。

 

酸化したかどうかの見分け方

酸化が進むと、油の色が濃くなります。こうなれば危険信号です。なんとなく黒っぽく、色合い濃くなってきた油で揚げ物をすると、当然、料理の見た目も悪くなります。鍋底が見えにくいほどに変色してしまった油は、速やかに新しいものに交換しましょう。

また、嫌な臭いがしてきた場合も要注意です。多少の油の香りはおいしさにつながりますが、油臭いと感じるほどの油は、確実に揚げ物の風味を損ないます。

他にも、揚げ物の際、食材が入っていない状態でも煙が出る、細かい泡が出てなかなか消えない、油に粘りが出てドロリとしてきた…などは、新しい油に交換するタイミングです。

 

正しい保存方法

油を酸化させないためには、とにかく空気・熱・光を避けることが肝心です。開封済・未開封いずれの場合も、キャップをしっかり締めて、直射日光や蛍光灯などの光を避け、冷暗所で保存することを徹底しましょう。

また、一度使った油の保存ポイントとしては、調理後の鍋を放置しないことです。放置している間に空気や光と接触してしまうため、酸化が進みます。特に、鉄製の鍋は酸化も早いので、気を付けてください。使い終わったら、熱いうちに油を濾すようにしましょう。ろ過した油は粗熱が取れたら、容器に入れて保管します。

最後に、油を早めに使いきることも大事です。油は毎日使うため、つい大容量のものを買ってしまいがちですが、家族構成、揚げ物の頻度なども考慮して、購入しましょう。使いきれないほど大量の油を買っても、保存期間が長くなって、その分酸化も進んでしまいます。

油の酸化度合いは保存方法や使用回数によって変わりますが、色や臭いに問題がなければ、基本的に2〜3回を目安に交換しましょう。揚げ物の場合、空気・熱・光のすべてに触れるため、油にとって酸化しやすい条件が揃っていることは確かです。使用後は正しく保存して、できるだけ早めに使い切ることをおすすめします。正しい保存方法をマスターして、体にいい油を摂るようにしましょう。